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議会質問 2018年(平成30年)

議会質問 2018年(平成30年)

横浜市  平成30年 予算第二特別委員会  03月07日

 

平成30年 予算第二特別委員会

 

○望月[康]副委員長 質問の通告がありますので、これより順次質問を許します。

 まず、中島光徳委員の質問を許します。

◆中島委員 公明党の中島光徳ございます。よろしくお願いいたします。通告に従いまして順次質問いたします。

 先日行われた予算関連質疑の中で、持続可能な開発目標、SDGsについて、我が党の質問に対し市長が関連する事業を中心に全庁的に推進していくと述べられました。総務局も例外ではなく、政策決定場面への女性の参画拡大に向けた取り組みや国土強靭化地域計画の策定に向けた取り組みなどがSDGsに関連する取り組みとして位置づけられると思います。総務局においては、この意識を持ってSDGs達成に向けた取り組みをしっかりと推進すべきだと考えます。これらを踏まえ、まずはSDGs実施指針にもある防災・減災の取り組みについて何点かお伺いいたします。

 まず、飲料水、食料の備蓄について伺います。備蓄については、内閣府では広い範囲で被害が想定される南海トラフ地震への対策としては7日分の備蓄が望ましいと言っています。横浜市においても自助の備えとして、まずは最低3日分以上をお願いしているところです。しかし、1度は備蓄してみたものの賞味期限が切れて使えなくなり、その後は備蓄しないといった状況も見られ、なかなか備蓄が定着しないようです。少し前に実施した危機管理アンケートでは、飲料水、食料を3日分以上備蓄している方は約4割にとどまっています。

 そこで、横浜市としても備蓄の必要性についてしっかり啓発すべきだと思いますが、室長の見解を伺います。

◎藤沼危機管理室長 地域防災拠点での備蓄など、公助における支援については限界がありますので、市民の皆様には、最低3日分の備蓄をぜひお願いしたいと考えております。これまでも防災フェア等におきまして、事業者の皆様の御協力により備蓄食料の紹介をするなど、備蓄の必要性についてお伝えしてまいりましたが、引き続きさまざまな手段で啓発の取り組みを進めてまいります。

◆中島委員 飲料水、食料の備蓄は、例えば水だけで考えても4人家族では36リットル、相当なスペースをとってしまいますし、なかなか御自宅にそのようなスペースはない方も多いと思います。また、備蓄食料は賞味期限が切れると廃棄することになってしまいますし、このような状況から、家族構成や生活スタイルに合わせ、食料などを少し多く買いそろえて備えたものを順番に使いながら買い足していくローリングストックという考え方が有効かと思います。

 そこで、3日以上の備蓄を促すため、備蓄がしやすいローリングストックを周知するためにどのように取り組んでいるのか、部長に伺います。

◎平中危機管理部長 ローリングストックについては、防災のイベント等において啓発チラシを配布するとともに、広報よこはまや、防災よこはまなどでも紹介しております。さらに、来年度、市民防災センターにおいて、新たにローリングストックをテーマとした研修を予定しており、引き続きしっかり取り組みを進めてまいります。

◆中島委員 飲料水、食料の備蓄は自助、共助の基本だと思います。引き続きしっかり周知啓発していただきたいと思います。

 次に、地域防災拠点とマンションなどの集合住宅との連携について伺います。

 現在の地域防災拠点の訓練には大規模集合住宅の居住者が多数参加しています。地域防災拠点に対する認識が不足したまま訓練を行っていると、地震が発生したらすぐに拠点へ避難するといった意識づけにつながり、発災時には、拠点は多くの人であふれてしまうと思います。本来、地域防災拠点は家屋が倒壊するなど自宅で避難生活を送ることができない方が避難するところで、建物等に被害がなければ地域防災拠点に行くのではなく、自宅で避難生活を送るべきだと思います。

 そこで、地域防災拠点の役割を市民の皆様に理解していただき、自宅で生活できる場合は在宅避難が原則であることをしっかり周知すべきだと思いますが、室長の見解を伺います。

◎藤沼危機管理室長 今、部長がお答えいたしました防災よこはまや、市民の皆様向けの研修などを通じまして、地域防災拠点は、御自宅で避難生活が送れない方が避難する場所であることや、御自宅で避難生活が送れる方は在宅避難をしていただくことにつきまして御理解いただけるように取り組んでまいります。こうしたことを広く知っていただくために、広報よこはま3月号、今月号でございますが、地域防災拠点の役割や避難行動の流れにつきまして記事を掲載いたしまして、改めて啓発を図っております。

◆中島委員 在宅避難の考え方がしっかり浸透するのであれば、集合住宅は建物の中で避難生活を送ることを想定する必要があります。発災時にはエレベーターがとまり停電が起きたり、トイレが使えなくなったりする可能性もあります。その際には、お互い助け合う共助の取り組みが必要です。集合住宅の集会所等を避難所として、被災生活の中で支援物資の受け取りや情報収集といった行動を地域住民がばらばらで行うのではなく、まちの防災組織の活動として避難所の代表者が地域防災拠点にまとめてとりに行くといった仕組みづくりをするなど、集合住宅と地域防災拠点とのスムーズな連携づくりは非常に重要だと考えています。

 そこで、地域の共助を促すとともに、特に地域防災拠点と集合住宅の連携についてしっかり支援する必要があると思いますが、どのように取り組んでいくのか、部長に伺います。

◎平中危機管理部長 地域防災拠点とマンションなどの集合住宅がしっかり連携を図れるよう、まちの防災組織のメンバーを対象に実施している防災・減災推進研修等を通じ、地域防災拠点の役割や、連携の仕方について御説明をしています。また、地域防災拠点とマンションの関係づくりなど、共助の取り組み事例を「ヨコハマの「減災」アイデア集」としてまとめたり、先月実施しましたまちの防災組織の事例発表会で紹介するなど、連携の取り組みを支援しております。

◆中島委員 横浜はマンションなどの集合住宅が多い土地柄であり、集合住宅への共助の支援、地域防災拠点との連携は非常に重要なテーマでありますので、引き続き支援をお願いします。また、地域防災拠点に関連すると、予算関連質疑において我が党から夜間照明の設置に関する質問をさせていただいたところ、市長からスポーツ振興だけではなく学校運営や防災などの観点から市民局、教育委員会事務局、総務局で検討会を設け、取り組むと答弁されました。発災時に避難された方々が安心して避難生活を送れるよう、グラウンドの活用方法も含め御検討いただくよう要望いたします。

 次に、地域における防災力向上について伺います。

 戸塚区の場合、危機管理担当の係長が中心となり、地域防災拠点35カ所、自治会町内会221カ所といった広い範囲に目配りをしている状況です。係長が消防職員ということもあり、総務課長も信頼して業務を任せているようですが、地域特性を踏まえた行き届いた支援というのは限界があると思います。

 そこで、区役所が地域の防災力向上に対してさらに支援ができるようにすべきと思いますが、局長の見解を伺います。

◎大久保総務局長 地域防災力を高めていくためには、地域のことをよく知る地域の皆様に地域の特性に応じた取り組みを進めていただくことが大変重要であると考えております。そして、区がその支援をしっかりと進めていけるようにするのが総務局の責務であると認識をしております。このことから、今、委員にお話をいただきましたように、地域の防災活動を支援するために全区の総務課に危機管理を担当する職員を配置しておりますが、平成28年度からは2名以上の体制とするよう増強をいたしました。また、各区では、地域支援チームを地区ごとに置きまして、防災を初めとする地域のさまざまな取り組みを御支援する、そうした体制をとっております。こうした取り組みの中で、地域の皆様の御要望をしっかりと伺い、必要とされる支援を区と局とで連携しながら充実してまいりたいと考えております。

◆中島委員 これは1つのアイデアですが、区の窓口とは別に地域の方が防災・減災の課題解決について相談できる窓口があってもよいのではないかと思います。例えば、NPO団体など防災専門家にお願いし、地域の相談窓口になってもらうということもあるかもしれないし、また、地域に防災リーダーがいて、その人物に地域防災の役員が相談できるといったものなど、地域の防災の課題を解決できるような仕組みがあれば、さらなる地域の防災力の向上につながると思います。

 そこで、地域特性に応じた地域防災力の向上にどのように取り組んでいるのか、部長に伺います。

◎平中危機管理部長 地域の防災・減災の取り組みを進める上で、地域の防災リーダーとなる人材を育成することは大変重要であると考えます。そこで、先ほど申し上げました防災・減災推進研修の中で、地域の状況に応じた取り組みを行っている事例を共有するなど、地域の防災活動の担い手となる人材を育成しております。また、地域にアドバイザーを派遣し、地域の皆様とともに防災まち歩きや安全マップ作成などを実施することにより、地域における防災上の課題を把握し、地域特性に合った行動目標を立てるなどの取り組みも行っております。引き続き、地域の防災力向上に向けた取り組みの支援に力を入れてまいります。

◆中島委員 地域防災力の向上という点でいうと、飲食店といった小規模店舗における防災意識の向上も重要だと思っています。災害はいつ起こるかわかりません。事前の備え、発災後の対応、避難生活など自助、共助、公助が連携して進める必要があります。そのためには市民の皆様の防災意識の向上、地域の防災力向上が欠かせません。行政としても引き続きしっかり支援をしていただきたいと思います。

 次に、旧深谷通信所跡地の防災活用について伺います。

 一昨年の熊本地震の発生、また、首都圏直下地震や南海トラフの巨大地震など大規模地震発生の緊迫感が高まっていることもあり、旧深谷通信所跡地の防災活用に関しては地域の皆さんが大きな関心を持っていらっしゃっています。現在、深谷通信所跡地については広域避難場所として指定されていますが、今後、旧深谷通信所跡地の防災計画上の位置づけがどうなのか、部長に伺います。

◎平中危機管理部長 現在も防災計画上、広域避難場所として位置づけていますが、この位置づけを継続してまいります。

◆中島委員 米軍施設として使用されていた経緯もあり、旧深谷通信所跡地の広域避難場所機材庫は、現在汲沢中学校に設置されています。機材庫について、旧深谷通信所跡地に移設する計画があると聞いていますが、機材庫の具体的な設置場所について部長に伺います。

◎平中危機管理部長 広域避難場所の機能を強化するために、旧深谷通信所跡地に機材庫を設置する予定ですが、どの場所に置くかなど、具体的な検討はこれから行ってまいります。

◆中島委員 機材庫については、広域避難場所に避難した方々はもちろん、地域の住民にとっても使いやすい場所に設置してほしいと思います。先ごろ、旧深谷通信所の跡地利用基本計画が公表され、その素案に広域応援活動拠点という表現がありましたが、そもそも広域応援活動拠点とはどういった場所なのか、また、指定はいつごろを予定しているのか、室長に伺います。

◎藤沼危機管理室長 広域応援活動拠点とは、大規模地震発生時などに自衛隊、警察、消防といった市外からの応援部隊を受け入れ、活動の拠点としていただく場所でございます。跡地利用基本計画におきましても、5年程度後に予定されております都市計画決定後に公園等の整備の状況を踏まえた上で、私どもとして指定の手続を行っていくという予定でおります。

◆中島委員 大規模な応援部隊がそこに集まるということを考えれば、周辺道路の整備が必要となるでしょう。また、地域住民が安心して避難できる場所とするためには、水道やトイレなどインフラの整備が重要となります。災害対策強化の視点から危機管理室が早期の整備を関係局に促すことを要望します。

 次に、新市庁舎整備について伺います。

 市のホームページを拝見すると新市庁舎の建設情報が掲載されており、工事の進捗などを確認することができるのと同時に、完成予想図のパースなども目にできます。これからまちのシンボルとなるであろう市庁舎の姿を思い浮かべると、その外観や存在感が周辺の景観とどのように調和し、新しい景観を担っていくのか、大変興味深く思います。これまでさまざまな検討がなされてきたことと思いますが、建設に当たり、ガイドラインやまちづくりの方針等において、景観に関して留意すべき事項などはあるのか、担当部長に伺います。

◎鈴木新市庁舎整備担当部長 新市庁舎の建設地は、景観法及び横浜市魅力ある都市景観の創造に関する条例に基づきまして、関内地区都市景観形成ガイドラインが適用されるエリアでございます。このガイドラインでは、港や丘などからの眺望に配慮すること、まち並みに調和する建物デザインとすること、水際を積極的に活用することなどが示されておりまして、これに沿って計画しております。また、歴史的建造物以外はライトアップを禁止するなどの留意事項もございます。

◆中島委員 代表的な留意事項について答弁いただいたと思いますが、続けて、こうした景観や周辺への調和についてどのような検討が行われてきたのか、担当部長に伺います。

◎鈴木新市庁舎整備担当部長 景観計画について、外部の専門委員から構成される横浜市都市美対策審議会で御審議いただきました。具体的には、高層部は、まちの結節点にふさわしいシンボル的な景観形成を考慮すること、低層部は、周辺のまち並みと連続性を持つこと、サインなどの屋外広告物はデザインに統一性を持たせることなどについて御意見をいただき、計画に反映してまいりました。

◆中島委員 これまでの検討状況や地区の特性がよくわかりました。その上であえて新しくできる市庁舎への期待を申し上げますと、移転後の市庁舎は関内・関外地区とみなとみらい21地区の結節点に位置する横浜都心部の重要な地区に立地することになりますので、日々の皆様を初めとして多くの観光客にその存在を示してもらいたいと思っています。例えば、夜景の演出として開港記念日やクリスマスなどの特別な記念日だけでもあでやかなライトアップを行うなどもアイデアの一つかもしれませんし、ふだんからも何か工夫を凝らしてもらいたいと思っています。

 そこで、新市庁舎の夜間景観の考え方について局長に伺います。

◎大久保総務局長 先ほど部長から御答弁させていただきましたとおり、ガイドラインによりますと、新市庁舎は特別なライトアップをすることができません。そこで、内部の照明をうまく活用して低層部のにぎわいの演出や、水際のプロムナードの魅力を高めていきたいと考えております。照明デザイナーにも御意見をいただきながら、夜間でも建物の中から明かりが漏れている、そうした状況をつくり出すことで魅力的な景観を演出していきたいと考えております。

◆中島委員 供用開始までいよいよ2年余りとなりました。工事も進み、だんだんと建物としての姿も見え始めてきました。新しくできる新市庁舎が市民の皆様を初め多くの観光客の心に残る建物となることを期待します。

 次に、中小企業振興基本条例を踏まえた契約状況について伺います。

 条例の基本方針で、市が行う工事の発注、物品、役務の調達等に当たっては市内中小企業者の受注機会の増大に努めることとされ、全庁的な取り組みが求められているところです。総務局においても危機管理に関する物品調達や業務委託、また情報システムに関する機器調達など、年間を通じて数多くの発注を行っていると思います。

 そこでまず、平成28年度の総務局における市内中小企業者との契約件数や割合について部長に伺います。

◎栗田副局長兼総務部長 平成28年度の物品及び委託契約531件のうち、市内中小企業者との契約件数は479件、割合としては90.2%となっております。

◆中島委員 市内中小企業者との契約件数が相当程度確保され、総務局においても市内中小企業者の受注機会増大に対する意識が定着してきたことがわかりました。今後はこの状況を維持するだけにとどまらず、ぜひ打破していただき、可能な限り受注実績をふやしていくことが大事だと考えます。

 そこで、市内中小企業者の受注をさらにふやすためにどのように取り組みをしていくのか、局長に伺います。

◎大久保総務局長 現在、総務局では、市内中小企業者以外へ発注する場合には、その理由を発注を起案する際の様式や入札参加条件を審議する入札参加資格審査・指名業者選定委員会に提出する書類に具体的に記載をさせまして厳しく審査する取り組みを行っております。また、経理担当者会議を開催いたしまして、条例の趣旨や意義についての周知を繰り返し行っているところでございます。今後は、こうした取り組みをさらに徹底していくとともに、市内中小企業者への発注機会をふやすため、できる限り分離・分割発注に努めてまいります。

◆中島委員 引き続き基本条例の趣旨を踏まえ、市内中小企業者の受注機会の確保にしっかりと取り組んでいただくことをお願いします。

 次に、市ウエブサイトの再構築について伺います。

 ウエブサイトの再構築に関し、所管局は市民局でありますが、一部に総務局が関与している部分があると聞いています。前回の再構築では事業者側に問題があったと思いますが、市側には事業者を決定する過程や、契約後の進捗管理など問題があったと考えられます。その反省を踏まえ、CIO補佐監のもと、新たな体制で今回の再構築に取り組んでいるところですが、新たな再構築においてICT部門がどのような役割を担っているのか、CIO補佐監に伺います。

◎福田CIO補佐監 現在、私自身が市ウエブサイト再構築プロジェクトの統括責任者となり、また、総務局の行政・情報マネジメント課とICT基盤管理課がプロジェクトチームの一員として参画させていただいております。そこの中で技術的なアドバイス、また、仕様書の確認、円滑なプロジェクト管理などの役割を担わせていただいております。

◆中島委員 今回のウエブ再構築の件で全ての部門にICTスキルの高い職員が配置できていない状況が明らかになったことと思います。そのような状況で、昨年の第3回定例会において、我が党の行田議員の質問により、今年度からシステム調達の適正化を徹底するため、総務局にシステム調達統制の部門を設置したことを確認していますが、今後ウエブ再構築のような事態が発生しないよう、どのような改善策を講じているのか、CIO補佐監に伺います。

◎福田CIO補佐監 今年度から行政・情報マネジメント課にICT調達統制担当を設置いたしまして、全てのシステム開発について事前に相談することを義務化いたしました。その相談の中で要件や契約条件などの仕様の記述、この項目を個別に確認させていただきまして、適切な契約となるよう指導しております。また、発注後についても、システムの規模からリスクが高いと判断させていただいた案件については総務局が開発当初からプロジェクトに参加させていただいて、適正な履行を図っています。

◆中島委員 総務局だけで市全体をカバーするのは難しいと思います。市全体のICTスキルを高めることや、ICTスキルを持った職員が直接発注にかかわれる体制づくりを検討するなど、全庁的な取り組みも必要だと考えますが、システム関連業務が適正に遂行できるようシステム所管部門を含めてどのように取り組んでいくのか、CIO補佐監に伺います。

◎渡辺副市長 システム開発という業務を適正に遂行するためには、発注者と開発事業者がシステムの完成イメージを共有いたしまして、それに向けて、いわゆる行き違いのないように合意形成を行うことが極めて重要であります。そこでまず、私ども発注者が求めるものを事業者の方に的確に伝えられるように仕様書の明確化を図ります。また、日々の指導や研修を通じまして、発注者側である職員においてもシステム的な思考を持った人材を育成するなど、全体の能力やスキルの底上げを図っていきたいと考えております。

◆中島委員 発注前に市がシステムに必要な要件をよく整理することは、品質の高いシステムを短い期間で適正な価格で構築するために欠かせないことだと考えています。また、発注仕様が明確になれば開発におけるリスクも軽減することが期待でき、それにより市内の中小企業によるシステム関連の受注増加にもつながっていくと思います。引き続き、システム調達の適正化を全庁的に進めることを要望します。

 次に、多様で柔軟な働き方の取り組み状況について伺います。

 柔軟な働き方については、平成28年度に初めてテレワークの試行を実施して以来、段階的に取り組みが拡大され、平成30年度にはいよいよテレワークと横浜版フレックスタイム制度を全庁的に試行することになりました。そして、その結果を検証し、問題がなければ平成31年度の本格導入も視野に入れていると聞いています。特に横浜版フレックスタイム制度は平成29年度が初めての試行で、本市独自の制度設計になっているため、職員からも多くの意見が寄せられているのではないかと思いますが、そこでまず、横浜版フレックスタイム制度の試行について、職員からどのような意見が出されたのか、室長に伺います。

◎伊地知しごと改革室長 職員からは、子育てや介護をしながらも仕事を継続できるため、安心して働くことができた、夜に業務が入った場合に、勤務時間をずらすことで長時間労働にならず負担を軽減できたなど、ワーク・ライフ・バランスの推進に有効という意見が多く出されています。一方、制度の内容につきましては、保育園送迎など、個々の生活パターンに柔軟に対応できるよう、勤務時間のパターンをふやしてほしい、あるいは、子育てや介護は毎日のことなので、上限回数を今、月8回としておりましたが、それを見直し、毎日利用できるようにしてほしいなど、改善を求める意見が出ております。

◆中島委員 ワーク・ライフ・バランスの推進に効果的という意見が多く、制度の有効性は確認できたと思いますが、制度の内容については改善の要望も出されています。せっかく制度が導入されても制度を必要とする職員が利用しやすい制度でなくては意味がありません。職員からの意見を生かしていくことが重要です。

 そこで、職員の意見を踏まえて平成30年度の試行ではどのような見直しを行ったのか、局長に伺います。

◎大久保総務局長 平成29年度につきましては、勤務時間のパターンを11パターンで設定いたしましたが、平成30年度の試行につきましては15パターンにふやしまして見直しをいたします。これは、職員が子育てや介護など、それぞれの生活の状況にきめ細かく対応できるようにするものでございます。また、制度の利用につきましては上限を原則として設けておりますけれども、子育てや介護で利用する場合には、朝の勤務時間のパターンの一部につきまして、この上限をなくし、毎日利用できるようにいたします。これによりまして日々の保育園の送迎や家族の介助などに対応しやすくなると考えております。そのほか、制度の申請期限を2日前から前日に見直すなど、職員が利用しやすい制度となるように改善を行っております。

◆中島委員 平成29年度の試行では、制度を利用しているのは一部の職員にとどまっていると聞いています。もちろん業務の性質によって利用しづらい職場もあるかと思いますが、制度に対する理解が進んでいない面もあるのではないでしょうか。試行を有意義なものにするためにも多くの職員に試行に参加してもらい、意見をもらうことは大切だと思います。

 そこで、多くの職員に試行に参加してもらうため、どのような工夫をしていくのか、局長に伺います。

◎大久保総務局長 庁内の情報ネットワークや、職員向けに発行しておりますしごと改革通信などを利用いたしまして制度をわかりやすく紹介するとともに、実際に制度を利用した職員へのインタビューや利用状況につきまして定期的に発信をして、職員が制度を利用するきっかけづくりをしていきたいと考えております。また、各職場において制度を利用しやすい雰囲気づくりを進めることも重要でございますので、そのキーパーソンとなる責任職が、まずこの制度についての理解を深めるよう、機会を捉えて働きかけをしてまいります。

◆中島委員 テレワークやフレックスタイム制度は子育て、介護と仕事の両立、女性活躍や職員のワーク・ライフ・バランスの実現に必要な制度だと私は考えています。柔軟な勤務制度を導入し、職員が生き生きと働くことのできる環境づくりを進められるよう積極的に取り組みを推進していただきたいと思います。

 次に、職員の健康管理について伺います。

 本市では平成28年に横浜市職員の健康ビジョンを職員の健康施策の指針として定め、それに基づく基礎計画、体の健康づくり計画と心の健康づくり計画において目標を設定し、誰もが生き生きと働ける健康市役所を目指して取り組みを進められていると聞いています。

 そこでまず、職員の健康づくりのためにどのような取り組みを行っているのか、担当部長に伺います。

◎齋藤人材育成・職員健康担当部長 健康診断結果に基づくフォローやさまざまな健康相談、健康教育、YCANなどを通じた情報提供や啓発を実施しております。平成28年度からは9月を健康づくりチャレンジ月間とし、チームで取り組む歩数記録イベントを全庁で実施するとともに、個人で生活習慣改善目標を設定し、その達成にチャレンジするイベントなどを医療保険者である職員共済組合と連携して実施しています。さらに、区局独自の健康づくりの取り組みを促し、優良な取り組みを表彰するなど、職場の機運醸成を図っております。

◆中島委員 市職員は毎年健康診断を実施し、その受診率は99%以上と伺いました。受診の結果、いずれかの異常初見があった場合は、産業医を中心とした専門職が面接などで丁寧に支援していると聞いています。

 そこで、健康診断の結果等から見た職員の健康上の課題は何か、担当部長に伺います。

◎齋藤人材育成・職員健康担当部長 平成29年度の定期健康診断結果では、職員の4.5人に1人は医療機関での受診、または治療が必要で、特に生活習慣病の主要因である高血糖や高血圧の所見が40歳を境に大幅に増加しております。また、約7割の職員は定期的な運動習慣がなく、30歳未満の職員の2割以上が朝食を食べる習慣がないことが明らかになっています。生活習慣病は、そのリスク要因を改善することで発症や重症化を予防できることから、職員一人一人の意識の醸成、行動の改革に取り組むことが大きな課題と考えています。

◆中島委員 先日の本会議でも我が党が国民健康保険における健康増進に向けた取り組みについて質問し、特定健診の受診率の向上と、健診データを生かした保健事業、いわゆるデータヘルス事業について市長に御答弁いただきました。市の職員についても、ただいま健康上の課題を挙げていただきましたが、身体面の健康課題の解決に向けてどのように取り組んでいくのか、局長に伺います。

◎大久保総務局長 健康診断で医療機関での受診、治療が必要だと判定された職員一人一人に対しまして保健指導を行いますとともに、ウオーキングイベントなど、先ほど部長が答弁いたしましたが、健康づくりの取り組みを引き続き推進してまいります。また、共済組合が実施する生活習慣病予防のための特定保健指導を対象職員が確実に利用するように支援してまいります。こうした健康経営の視点を踏まえた取り組みを繰り返し進めていくことで、職員一人一人が健康になろうとする意識を醸成いたしまして、職員健康ビジョンが目標とする健康市役所の実現を目指してまいります。

◆中島委員 職員の皆さんが生き生きと健康に働き続けられる職場づくりにしっかり取り組んでいただくことをお願いします。

 次に、横浜市における障害者雇用について伺います。

 障害者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員としてともに生活できる共生社会の実現の理念のもと、全ての事業主は、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用することが求められています。地方公共団体である横浜市においても例外なく適用されますが、この法定雇用率が平成30年4月から現行の2.3%から2.5%へ引き上げとなります。これは平成30年4月より障害者雇用促進法に基づく障害者雇用率等の算定基礎に精神障害者が加わること等を踏まえた対応とのことです。本市においても市職員としての障害者雇用を促進していかなければならないと考えますが、そこでまず、市職員の障害者雇用の状況について部長に伺います。

◎石内人事部長 雇用率算出の基準日となる平成29年6月1日現在、568人の方を雇用しており、法定雇用率2.3%を達成しております。

◆中島委員 民間企業においては精神障害者の雇用が徐々に進んでおり、本市でも平成29年度からこれまでの身体障害者、知的障害者の雇用に加え、新たに精神障害者の嘱託員採用選考を行ったと聞いています。そこで、平成30年度の採用予定について部長に伺います。

◎石内人事部長 平成30年4月の採用に向けまして、身体障害のある方を対象とした職員及び嘱託員、知的障害のある方を対象とした嘱託員、精神障害のある方を対象とした嘱託員につきまして採用選考を実施し、25人の方が合格しました。このほか、教育委員会や水道局など、各任命権者でも採用選考を実施しており、全体では35人程度を採用する見込みです。

◆中島委員 本市も障害のある市民の方々への支援や市内企業の障害者雇用を促進する役割とあわせて、地方公共団体として率先して障害者雇用を進め、身体障害者、知的障害者、精神障害者それぞれの長期的、安定的な雇用の確保に向けての取り組みが必要になってくると考えますが、最後に、今後の障害者雇用の考えについて局長に伺います。

◎大久保総務局長 地方自治体として、障害のある方の雇用を率先して進めなければならないと認識しております。平成30年度に向けては、知的障害者の採用枠の拡大や、精神障害者の嘱託採用を新たに実施し、採用予定を当初よりふやしております。引き続き受け入れ職場を拡充し、障害のある方の活躍の場を広げ、各任命権者と連携して採用活動に取り組んでまいります。

◆中島委員 社会全体の動きとして、障害者を取り巻くさまざまな法整備が進んでいく中、本市が模範となり、率先して取り組みを進めていくことは、民間事業者等が障害者の雇用を拡大する意味でも大変意味あることです。障害のある方が、より一層生き生きと働ける市役所となるように、引き続き雇用促進に取り組んでいただくことを要望し、私の質問を終わります。

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